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「ムーン・ギャラリー」は、「ムーン・ガーデン」とともに小倉紫雲閣のリニューアル・オープン時に誕生しました。
「月」をテーマにした世界初のグリーフケア空間です。
「グリーフ」とは「悲しみ」という意味です。
「グリーフケア」とは、愛する人を亡くした人の深い悲しみを癒すことです。
けっして広くはない空間の中には、悲しみを癒すために特化された照明、香り、音楽、そして言葉のメッセージが流れています。
照明は、満月の明かりです。満月の光はよく「慈悲」にたとえられますが、「希望」の光が残された人へ降り注ぐことを願っています。
また、流れる言葉は、わたしの著書『愛する人を亡くした人へ』の朗読です。
死別はたしかに辛く悲しい体験ですが、その別れは永遠のものではありません。
愛する人を亡くした人は、また愛する人に会えるのです。
風や光や雨や雪や星として会える。夢で会える。あの世で会える。生まれ変わって会える。
そして、月で会える。いずれにしても、必ず再会できるのです。
さらに、「ムーン・ギャラリー」の最奥部には、アルフォンス・ミュシャの絵画「主の祈り」のオリジナルが飾られています。
ミュシャはアールヌーヴォーを代表する画家です。彼の膨大な作品群は、広告業界にも多大な影響を与えました。
彼は、1899年に「主の祈り」というものぐ作品を描きました。
それは、地上でうごめく多くの人間たちが夜空の月を仰いでいる絵です。
しかも、その月は巨大な天上の眼でもあるのです!
この絵はミュシャが最も描きたかったものであり、それ以前の膨大なアールヌーヴォー作品の版権を放棄して、この絵の制作に取り掛かったとのこと。
多忙な彼が下絵を何十枚も描いており、最初は空に浮かぶ巨大な顔(ブッダの顔のようにも見える)だったのが、次第に一つ
目になり、それが三日月になっていったそうです。 その絵につけられた解説文には、「月は主の眼であり、その下に、あらゆる人間は一つになるであろう」といった内容が記されているというのです。
この世界で12枚、日本には1枚しかない「主の祈り」もムーン・ギャラリーで鑑賞できます。 |
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