第17回
一条真也
「究極の成功法則とは」

 

 前回は「幸福になる法則」でしたが、今回は「究極の成功法則」についてお話したいと思います。
 「成功したい」という「夢」を多くの人が持っています。また、「夢」を持つことの大切さを、いろんな人が説いています。しかし、真の成功者はみな、世のため人のためという「志」という名の最終目標を持っていました。とにかく、「志」のある人物ほど、真の成功を収めやすい。なぜでしょうか。
 「夢」とは何よりも「欲望のかたち」です。「夢」だと、その本人だけの問題であり、他の人々は無関係です。でも、「志」とは他人を幸せにしたいわけですから、無関係ではすみません。自然と周囲の人々は応援者にならざるをえないわけです。「幸せになりたい」ではなく、「幸せにしたい」が大切なのです。いったん「志」を立てれば、それは必ず周囲に伝わり、社会を巻き込んでいき、結果としての成功につながるのではないでしょうか。
 企業もしかり。もっとこの商品を買ってほしいとか、もっと売上げを伸ばしたいとか、株式を上場したいなどというのは、すべて私的利益に向いた「夢」にすぎません。そこに公的利益はないのです。真の「志」は、あくまで世のため人のために立てるもの。そのとき、消費者という周囲の人々がその「志」に共鳴して、事を成せるように応援してくれるように思います。