第3回
一条真也
本当の友人をつくろう!
子曰く、君子は和して同ぜず。小人は同じて和せず。

 普段は仲良くしていても、何か困った問題が起きた時にそっぽを向く人たちがいます。反対に、普段はそれほど仲が良くなくても、何かあったら親身になって相談にのってくれ、団結してみんなで解決しようとする人たちもいます。どちらが本当に「和」を大切にしているか、「リトル・ママ」読者の皆さんならお分かりだと思います。

 困った時にそっぽを向く人たちは、うわべだけでしか仲良くしていないということです。それは普段からお互いの考えを伝え合っていないからです。本当に仲良くするには、正直にお互いの考え方をぶつけ合って、分かり合うことが大切なのです。こうやってお互いの考え方を知り、それがもし自分と違っても「それは違うよ」というのではなく、「そうか、そういう考え方もあるよね」と、お互いの考え方を大事にしていくこと。それが「和して同ぜず」という考え方なのです。

 友人のいない人生は淋しいですが、ただ多ければいいというものではありません。昨今の「いじめ」事件を見ても、いじめに加担する仲間などいないほうがいいと思いませんか。悪い仲間と縁を切る勇気も必要なのです。ただ群れているだけでは本当の友人とは言えません。儒教においては、人間的な徳を積んだ「個」の確立と、友人同士でも「礼」の実践が求められます。相手に同調して「個」を曲げ、「礼」を忘れてしまっては、本当の「和」を実現することはできないのです。