2017
12
株式会社サンレー

 代表取締役社長

  佐久間庸和

日本最大の国難を克服せよ

  婚活事業こそ国策事業だ!

●日本人が「絶滅危惧種」になる!
 日本が直面している最大の国難は北朝鮮問題ではありません。それよりも深刻なのが人口減少問題です。近年、人口減少に関する衝撃的な2つの数値が相次いで公表されました。
 1つは、2015年発表の国勢調査で、人口減少が実際に確認されたことです。ここで、日本の総人口は約1億2709万5000人と発表されました。5年前の前回調査に比べると約96万3000人が減少したわけです。
 もう1つは、翌2016年の年間出生数が初めて100万人の大台を割り込み、97万6979人にとどまったことです。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が発表した「日本の将来推計人口」(2017年)によれば、2015年には1億2700万人だった日本の総人口が、40年後には9000万人を下回り、100年も経たないうちに5000万人ほどに減少することが予測されています。
 このような推計について、産経新聞社論説委員、大正大学客員教授(専門は人口政策、社会保障政策)の河合雅司氏は著書『未来の年表』において、「こんなに急激に人口が減るのは世界史において類例がない。われわれは、長い歴史にあって極めて特異な時代を生きているのである」と述べています。

●「非婚化・晩婚化」が問題
 さらに社人研の推計によれば、西暦2900年の日本の総人口はわずか6000人、西暦3000年にはなんと2000人まで減るといいます。これについて、河合氏は「ここまで極端に減る前に、日本は国家として成り立たなくなることだろう。それどころか、日本人自体が『絶滅危惧種』として登録される存在になってしまいかねないのだ。要するに、国家が滅びるには、銃弾一発すら不要なのである。『結婚するもしないも、子供を持つも持たないも、個人の自由だ』と語る人々が増え、子供が生まれなくなった社会の行き着く果てに待ち受けるのは、国家の消滅である」
 人口減少を食い止める最大の方法は、言うまでもなく、たくさん子どもを産むことです。そのためには、結婚するカップルがたくさん誕生しなければならないのですが、現代日本には「非婚化・晩婚化」という、「少子化」より手前の問題が潜んでいます。

●ODCの挑戦
 政府がこれまで少子化に対する具体策として講じてきたのは、男女共同参画、待機児童対策などですが、これらは既に結婚、出産、子育てを経験している人々に対するものです。
 じつは、「少子化」はそれほど深刻ではありません。既に結婚している人々が何人の子どもを産み、育てるかについては、2.0を超えた数字で安定的に推移しています。しかしながら、その手前の「非婚・晩婚」については、特に政策として具体的な手が打たれることがありませんでした。
 国が国難に対応できないのは困りますが、じつはこの問題、わが社のような冠婚葬祭互助会が最も対応可能な業界であると思います。
 12月22日、NEW松柏園ホテルで「ハートフル婚活クリスマスパーティー」というイベントが開催されます。主催は、オークパイン・ダイヤモンドクラブです。いわゆる「婚活」をサポートするクラブですが、専属カウンセラーが、成婚まででなく披露宴まで徹底サポートすることが特徴で、じつに創業30年で700組を超える実績があります。さまざまな婚活活動のサポートを展開し、婚活セミナー・パーティー・バスハイク・バーベキュー大会・お見合いなどを行っています。

●「ひよっこ」の時代
 ODCが開く婚活パーティーには、「非婚・晩婚」化の進行を止めるべく、そして1人でも多くの方に良縁に恵まれ幸せになってほしいとの思いが込められています。
 わが社は、おかげさまで創立50周年を迎えることができましたが、NHKの朝ドラ「ひよっこ」がちょうど50年前の日本の姿を描いていました。
 「ひよっこ」では、多くの縁が結ばれました。プロポーズや婚約発表の場面が非常に多いのが印象的なドラマでした。登場人物たちが次々に結ばれていき、最後は主人公みね子と恋人のヒデが結ばれました。
 半世紀前の日本人は本当によく結婚していたということを見事に描いていました。そして、ちょうどその頃、日本中に冠婚葬祭互助会が誕生して、発展していったわけです。
 10月1日にグランドオープンした松柏園ホテル新館「ヴィラルーチェ」が大変好評で、多くの結婚式の予約が入ってきています。

●神社化する冠婚施設
 結婚式場は「祝い」の場ですが、日本の歴史において「祝い」の舞台といえば、神社がその役割を担っていました。
 多くの「むすびびと」たちが所属するわが社ですが、「むすび」といわれて最初に思い浮かべるのは男女の「縁結び」でしょう。この「むすび」を行うことも、かつては神社の重要な機能のひとつでした。
 先月は「セレモニーホールからコミュニティセンターへ」ということで、紫雲閣の寺院化について話しました。寺院と並んで、神社も日本におけるコミュニティセンターでした。
 神社はあらゆる祝い事を行う「ハレ」の場でもありました。わたしは、互助会の冠婚施設はこれから神社化していくべきであると考えます。もちろん、神社というのは「祝いの場」「ハレの場」という意味であって、神道の宗教施設という意味ではありません。それから、神社で行われる「祭り」は、若い男女の出会いの場でもありました。
 わが社では、さらに本格的に「婚活」事業に取り組み、日本最大の国難を克服するお手伝いをしたいと考えています。

  日の本の若人の縁結ばむと
      努むるわれら国を救はむ  庸軒
2017