78
一条真也
民生委員

 

民生委員の総会で講演を行った。わたしは日本が「老福国家」となるために、民生委員の存在はきわめて大きいと考える。「無縁社会」「老人漂流社会」と言われる現在、独居老人の孤立死を防ぐ民生委員の役割は大きくなる一方だ▼高齢単身者がどのような生活状況、あるいは健康状況にあるかを監視するのが、地域の民生委員の役割である。 しかし、孤立死が増加する原因の一つは「民生委員制度」が機能しなくなったことにある▼わたしは、行政が困っているときは民間に委託すべきだと考える。これは郵便局の事業の一部を宅配便業者が行ったり、警察の仕事の一部を備業者がやるのと同じようなことだ。つまり、行政サービスの民間委託ということ▼民生委員が少なくて困っているのなら、互助会業界に一任してはどうか。互助会には、高齢者宅を訪問する営業スタッフが多く在籍している。例えば、行政からの委託を受け、互助会スタッフが民生委員の方々をサポートして、独居老人の安否確認を行う▼これは互助会の社会貢献であるだけでなく、「相互扶助」をコンセプトとする互助会が本来の使命を果たす。訪問販売の禁止を心配するのも大事だが、こういった発想の転換も必要ではないだろうか(一条)
2015.6.10