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一条真也
孔子の末裔
先日、福岡で開かれた仏教連合会のシンポジウムに参加した。最初に、わたしが「葬式は必要~有縁社会をめざして」の演題で基調講演を行った。昨年は美輪明宏氏が基調講演をされたとか▼多くの僧侶を前にまずは「釈迦に説法」することをお詫びした。仏教界の人間ではなく、あくまでも冠婚葬祭の専門家として話した。そして、葬儀は人類が長い時間をかけて大切に守ってきた精神文化であることを訴えた▼そのまま、わたしは第2部のパネルディスカッションにも参加した。テーマは、「終活~人生終焉への心構え~」である。コーディネーターもパネリストも各宗派の僧侶の方々だった▼わたしの前に発言された方が「葬儀屋と坊主が集まって葬式の話をしても始まらんでしょう」は必要』とか、「葬式をするも良し、しないのも良し」などと言われた。▼わたしは、その言葉を聞いて落胆した。さらには布施に関するジョークで会場が笑いに包まれるという事態に、もう我慢できなくなり僧侶たちをお叱り申し上げた▼日本の葬儀とは仏教と儒教の合同儀礼が正体である。僧侶たちがブッダの末裔なら、「礼」を提供する冠婚葬祭業者は孔子の末裔。日本仏教が制度疲労を迎えた今、儀式のプロたちの使命は大きい。(一条)
2014.8.10