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一条真也
タイガーマスク運動
今年は、正月早々から、日本列島各地で心温まる出来事が続出した。児童養護施設の子どもたちへのランドセル、文房具、オモチャなどのプレゼント行為が全国的な拡がりを見せた。送り主は「伊達直人」と名乗った。梶原一騎のプロレス・マンガの名作「タイガーマスク」の主人公の名前だ▼児童養護施設といえば、わが社も毎年、11月18日の創立記念日に文房具やお菓子などを寄贈させていただいている。施設には、親がいない、または何らかの事情で親と離れて暮らしているお子さんが生活している▼文房具なども不足しがちなようだ。あるとき、クレヨンのセットをお配りしたところ、しばらくして社長であるわたし宛にお礼状と1枚の絵が届いた。その絵には大きな赤い花が描かれていた▼手紙によれば、今まで園には赤いクレヨンがなかった。自分は赤い花が描きたかったが、やっと描ける。そして、「最初に描いた絵は、社長さんにプレゼントします」とあった▼わたしは、この手紙と赤い花の絵を前にして涙がとまらなかった。このモノ余りの世の中で、この子たちはモノを大切にし、感謝の気持を持っている。そのことに感動するとともに、この子らを育てている園の先生たちに心から尊敬の念を抱いた(一条)
2011.2.10