第13回
一条真也
「同じ言葉で挨拶を返そう!」
人間関係を考えるうえで挨拶ほど大切なものはありません。
「こんにちは」や「はじめまして」の挨拶によって、初対面の相手も心の窓を開きます。すべては挨拶からはじまるのであり、会社の一日も「おはようございます」の一言からスタートします。
わたしが社長を務める会社はホテルや冠婚葬祭といった接客サービス業を営んでいます。ですから、わが社の社員は、どんな会社の社員よりも挨拶の達人であってほしいと願っています。
若い社員は「今日も一日、がんばるぞ!」と張り切って「おはようございます」と挨拶をします。その挨拶に、わたしも「おはようございます」で返します。決して「おはよう」では返しません。わたしが簡単に「おはよう」と言えば、相手から「おはよう」と返されても仕方ありません。これは江戸しぐさの精神でもありますが、山のこだまと同じで自分の心構え、言葉づかい次第で相手もそのように応じるから注意が肝心という戒めなのです。
ですから、今度、あなたの部下や後輩が「おはようございます」と言ったら、ぜひ「おはようございます」と言ってみて下さい。気持がいいですよ。
会社において上に立つ人も、下に立つ人も、人間としては平等です。そのことを決して忘れてはなりません。