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一条真也
皆既日食
今世紀最長の「皆既日食」が日本で観察できた日、全互協の総務委員会出席のため、東京にいた。本来は沖縄出張の予定があり、世紀の天体ショーを楽しみにしていた者としては残念だった▼もともと、私は太陽と月に心惹かれてやまない人間である。この世における最大の謎とは何か?それは、地球から眺めた月と太陽が同じ大きさに見えることだ▼人類は長いあいだ、このふたつの天体は同じ大きさだと信じ続けてきた。しかし、月が太陽と同じ大きさに見えるのは、月がちょうどそのような位置にあるからだ▼月は太陽の400分の1の大きさである。そして不思議なことに、地球から月までの距離は、太陽までの距離の400分の1なのだ。こうした位置関係にあるので、太陽と月は同じ大きさに見えるわけである▼なんという偶然の一致だろうか!皆既日食とは、太陽と月がぴったりと重なるために起こるわけだ。この「あまりにもよくできすぎている偶然の一致」を説明する天文学的理由はどこにもない▼テレビで見た皆既日食は、地球上に住む人類への「傲慢になるな!」というメッセージのように思えた。生命の源である太陽とは神であり、魂を癒す力をもつ月とは仏そのものではないかと感じた。(一条)
2009年9月25日