39
一条真也
ドラッカーの法則

 

経営者でピーター・ドラッカーの名を知らない人は少ないだろう。世界最高の経営学者にして、同時に社会生態学者でもあった。歴史や文明について独自の見方を持っていた▼ドラッカーによれば、人類の歴史では、数百年に一度、際立った転換が行なわれ、世界は「歴史の境界」を越える。そして社会は、数十年をかけて、次の新しい時代のために身繕いをするという▼世界観を変え、価値観を変える。社会構造を変え、政治構造を変える。技術や芸術を変え、機関を変える。やがて50年後には、新しい世界が生まれるという▼15世紀、グーテンベルクが活版印刷術を発明した50年後、ルターによる宗教改革が起こった。18世紀、ワットが蒸気機関車を発明した50年後、産業革命が起こった▼20世紀では、1946年に世界最初のコンピューターであるエニアックが発明された。50年後の96年にはインターネットが世界的に普及した。まるで50年が魔法の時間に思えてくる▼先日、全互連が創立50周年を迎えた。横須賀に日本初、いや世界初の互助会が誕生してから半世紀が経過したわけだ。さあ、これから何が起き、社会がどう変わっていくのか。とっても楽しみである。(一条)
2008年10月25日