第9回
一条真也
「相手を名前で呼ぶ」
あなたは、人を呼ぶとき、必ず名前で呼んでいますか。
わたしは、「君」とか「あなた」とか、名無しの権兵衛として相手に会話をされることが非常に不快です。ましてや、初対面の相手から「おまえ」とか「あんた」とか呼ばれたら、「あれ、けんかを売られているのかな?」と考えます。
当然ながら、名前のない人はいません。すべての人には名前があります。そして、その名前には何らかの意味があります。名前とは、親が「このような人間に成長してほしい」という願いを込めた一種の文芸作品であり、すべての人にとっての宝物なのです。
人間にとって最も目に心地よい視覚情報は、自分の姿だそうです。どんなに自らの容姿に自信のない人でも、自分がうつった写真などは最高の目のごちそうになります。では、耳のごちそう、つまり、最も耳に心地よい音声情報は何かというと、それは自分の名前なのです。
あなたがビジネスマンやビジネスウーマンなら、お客様の名前をきちんとお呼びしていますか。単に「お客さん」とか「お客さま」とか呼んでいませんか。相手の名前がわかっている場合は、必ず名前で呼んでください。また、会社の同僚や部下、友人、知人、家族も同様です。名前を呼ぶことは人間関係を良くする基本中の基本です。すべての人を名前で呼びましょう。