第2回
一条真也
「礼法を知っていますか?」
小倉と大変縁が深い小笠原流礼法というものをご存知ですか?武士の礼法として発展した世界に誇りうる日本文化のひとつです。
では、礼法とは何でしょうか。
原始時代、わたしたちの先祖は人と人との対人関係を良好なものにすることが自分を守る生き方であることに気づきました。
突然、見知らぬ人に会ったとき、どうするか。相手が自分よりも強ければ、地にひれ伏して服従の意思を表明し、また、仲間だとわかったら、走りよって抱き合う。このような行為が礼儀作法、すなわち礼法の起源でした。それが次代とともに変化し、発展して、今日の礼法として確立されてきたのです。
ですから、礼法とはある意味で護身術なのです。剣道、柔道、空手、合気道などなど、護身術にはさまざまなものがあります。しかし、もともと相手の敬意を誘わず、当然ながら戦いにならず、逆に好印象さえ与えてしまう礼法の方がずっと上ではないでしょうか。
まさしく、礼法こそは最強の護身術なのです。