2009
株式会社サンレー
代表取締役社長
佐久間 庸和
PHP研究所刊行
『2009年トップが綴る 一日一話 仕事の指針 心の座標軸 私の夢 会社の夢』より[1月5日]
「天下布礼」の旗を掲げる
昨年の秋、わが社の創立四十周年記念として、全国の社員を三班に分けて総勢600名の上海旅行を行ないました。いまどき、こんな大人数の社員旅行は珍しいそうです。
社員旅行どころか、歓送迎会や忘年会なども日本の会社から減っています。どうも、会社というより社会全体が「人間嫌い」になっているような感があります。同窓会や町内会の運営も難しくなっています。急速なIT化が社会の「人間嫌い」化に拍車をかけているのでしょうか。でも、わが社は冠婚葬祭を業とする会社であり、そのミッションは「人間尊重」です。私たちは、まさに人間を相手にするのが仕事であり、人間嫌いになることは絶対に許されません。
それもあって、あえて大人数で中国の上海に旅行したのです。中国は孔子の国です。2,500年前に孔子が説いた「礼」の精神こそ、「人間尊重」そのものだと思います。上海での創立記念式典で、私は社員の前で「天下布礼」の旗を掲げました。
また、今年の1月からは1,300人を超える全社員に、直筆のバースデーカードとプレゼントを贈っています。皆、とても喜んでくれます。誕生日を祝うことは、「あなたがこの世に生まれたことは正しい」と、その人の存在を全面的に肯定し、尊重することに他なりません。
その社員の皆とともに、冠婚葬祭を通じてよい人間関係づくりのお手伝いをさせていただく。「人間尊重」の輪が大きく広がってゆく。これが、私と会社にとっての夢であり、志です。