第1回
一条真也
「すべては思いやりから」

 

 これから、マナーについてのエッセーをお届けすることになりました。わたしはホテルや冠婚葬祭などのホスピタリティ・サービスの会社を経営していますが、何よりマナーが求められる仕事です。また、小倉発の世界に誇るマナー文化である「小笠原流礼法」や最近話題となっている「江戸しぐさ」などを社員教育に取り入れており、お客様の心に響く作法や仕草といったものをいつも考えています。
 マナーの基本は、何といっても他者に対する"思いやり"に尽きます。最近、「世界をつくった八大聖人」(PHP新書)という本を書きましたが、ブッダの"慈悲"も、孔子の "仁"も、 老子の"慈"も、イエスの "愛"も、すべては"思いやり"ということです。"思いやり"こそは、偉大な聖人たちも説いてきた、人間にとって最も大切なもの。これから、あなたの"思いやり"をどう形にするか、どうやれば相手に心が伝わるか、具体的にお話ししていきたいと思います。