第4回
一条真也
「なぜ、40代がモテる?」
先日、45回目の誕生日を迎えました。40代のど真ん中です。昔なら、「40代?オッサンやね!」で終わりでしたが、最近はどうも様子が違うみたいです。「40代モテ男」なる言葉が流行しており、若い女性に大変な人気だそうです。
ハリウッドに目を向けると、かのトム・クルーズがわたしの一つ先輩で、ブラッド・ピットとジョニー・デップが同級生、そしてキアヌ・リーブスが一つ後輩といったふうに、人気俳優は40代半ばに集中しています。不思議ですね。「40代モテ男」は世界的な現象のように思えてきます。もしかして、この年齢になると、未知のフェロモンが出るのでしょうか?
それはわかりませんが、日本で言えることは、40代の人気は男性に限らないということです。すなわち、「40代モテ女」も存在するということ。実際に、わたしの周囲にも素敵な40代女性がたくさんいます。なんでも、ホストクラブのホスト君たちにも40代女性が一番人気とか。興味深い話です。
なぜ、男女ともに40代がモテるのか?おそらく、その世代がバブルの時代に青春時代を送ったためかもしれません。バブル時代というと悪いイメージしかありませんが、じつはワクワクすること、楽しいことに満ちていた時代でもありました。わたしはかつて『遊びの神話』(PHP文庫)という本を書きましたが、その内容は日本が良い意味で浮かれていた1980年代の「遊び」の時代の記録となっています。
全国各地で開催された博覧会、東京ディズニーランドを筆頭としたテーマパークにリゾートブーム、黄金期のディスコにグルメブーム...あの頃は実にさまざまな刺激に満ちていて、みんないつも楽しんでいました。
その頃に青春時代を過ごした40代の人間というのは、楽しいことにとても敏感なのですね。つまり、心がゴージャスなのです。別に本当に贅沢をしなくとも、心がゴージャスな人は、自分自身も輝いて魅力的になるのかもしれません。