第13回
一条真也
「誕生日を祝っていますか?
みなさんは誰かの誕生日を祝っていますか。家族や友人や周りの人たちの誕生日に、心をこめて「おめでとう」と言っていますか。
私は、「祝う」という営み、特に他人の慶事を祝うということが人間にとって非常に重要なものであると考えています。なぜなら、祝いの心とは、他人の「喜び」に共感することだからです。それは、他人の「苦しみ」に対して共感するボランティアの対極に位置しますが、両者とも共感という点では同じことではないでしょうか。
世の中には、いろんなお祝いがあります。叙勲や受賞をはじめ、出版記念に合格や結婚。でも、老若男女を問わず、誰にでも毎年訪れるお祝いがあります。もちろん、誕生日です。
誕生日を祝うことは、その人の存在を全面的に認めることです。別に受賞などの晴れがましいことがなくとも祝う誕生日。それは、「人間尊重」そのものの行為です。ですから、周りの人たちの誕生日にはぜひ、「おめでとう」の声をかけましょう。そうすれば、あなたの誕生日にもきっと、「おめでとう」の声がかけられるはずです。