第12回
一条真也
「丹波哲郎さんの堂々人生」
「霊界の宣伝マン」として知られた俳優の丹波哲郎さんがお亡くなりになられました。私は丹波さんとは15年来の親交がありました。もちろん、東京で行われた葬儀にも参列しました。
弔辞で黒柳徹子さんが「もっとも偉大な功績は、死は怖くないと人々に説いたこと」と述べ、西田敏行さんは「お見事なご生涯でございました!」と絶叫し、大きな感動を呼びました。
この世にいるときから、愛を大事にし、嫉妬や憎悪の感情を取り除き、素直に明るく、自然にふるまって生きていた人が無条件で行ける世界、それが霊界である―丹波さんは万人にそう説き続け、旅立って行かれました。
微笑のまま息を引き取られ、享年84歳でした。常に前向きに生き、80を目前にパソコンをはじめられたそうです。まさに「人は老いるほど豊かになる」という言葉を地で行く、堂々たる人生でした。笑顔の遺影の前で献花したとき、「霊界はやっぱり良いところだったぞ!」という丹波さんの野太い声が聞こえたような気がしました。合掌。