第14回
一条真也
「人間とは図書館である!」
ロータリークラブの講演会に行ってきました。山口にお住まいの松永祥甫(しょうすけ)さんという、96歳の方のお話をお聞きしましたが、まったく座らずに90分間立ったまま話をされ、そのお元気なことにまず驚かされました。
「私の人生観とその展望」という題目でしたが、話術巧みで非常に面白く、また興味深く拝聴しました。松永氏のお父上は天保生まれで、お祖父さまは文化生まれ。お二人とも長命であったうえに、晩酌しながら色々な話をしてくれ、書き物も多く残されたとか。
松永氏は、「三人あわせて約300年分の情報を持っています」と言われ、聴衆の笑いを誘っていましたが、これは冗談でも何でもありません。
一人の人間、それも人生経験ゆたかな高齢者とは一個の図書館に等しいという考え方があります。それだけの情報や知識や知恵が込められているわけです。それにならえば、松永氏は三個の図書館の持ち主に他なりません。
松永氏の健康法は、「よく食べ、よく働く。くよくよしない。そして感謝の気持ちが大事です」とのこと。
人生の達人に感服いたしました。