第12回
一条真也
「もうすぐ、母の日ですね」
5月は、私にとって特別な月です。それは、5日の「子どもの日」、10日の自分の「誕生日」、そして今年は11日の「母の日」があるからです。幼いときから、いつもこの三つの「日」は三点セットでした。最近は、この三つは実は同じことなんだと気づきました。それは、自分を産んでくれた母親に感謝する日だということです。
ヒトの赤ちゃんというのは自然界で最も弱い存在です。すべてを母親がケアしてあげなければ死んでしまう。2年間もの世話を必要とするほどの生命力の弱い生き物は他に見当たりません。
わたしは、ずっと不思議に思っていました。「なぜ、こんな弱い生命種が滅亡せずに、残ってきたのだろうか?」と。あるとき、その謎が解けました。それは、ヒトの母親が子どもを死なせないように必死になって育ててきたからです。出産のとき、ほとんどの母親は「自分の命と引きかえにしてでも、この子を無事に産んでやりたい」と思うもの。実際、母親の命と引きかえに多くの新しい命が生まれました。また、産後の肥立ちが悪くて命を落とした母親も数えきれません。
まさに、母親とは命がけで自分を産み、無条件の愛で育ててくれた人なのです。ぜひ、「母の日」には、お母さんに心をこめて、「ありがとう」と言ってあげて下さい。そうすれば、あなた自身が幸せになれますよ。