第6回
一条真也
「秋の夜長は、賢者になろう!」
明日から11月9日まで、「読書週間」ですね。読書の最大の目的は、自分を高めることにあります。人間の経験のみでは、一つの方法論を体得するのに数十年かかる。でも、読書なら他人の経験を借りて、一日でできるわけです。読書はタイム・ワープの方法に他なりません。
特に歴史の本は他人の経験や知恵の宝庫です。よく「時間がないから本が読めない」と言う人がいますが、本当は逆です。本を読まないと、いつまでも自分の限られた経験と知恵だけで試行錯誤せねばならず、時間がなくなるのです。
かのビスマルクに「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という有名な言葉があります。西欧の人々は主にローマ帝国の衰亡史などを参考に人間理解をしてきました。日本人は『十八史略』や『三国志』などの中国史の本、あるいは『平家物語』などの日本史の本によって人間研究をしてきました。
「驕(おご)る平家は久しからず」。歴史を知れば、傲慢になることを防ぎ、さらには非常識な行為をすることもないはず。秋の夜長は、人生の糧になる本を読んで、賢者になりましょう!